DXとは、デジタル技術の進展によるビジネスモデルの大変革のことです。
消費行動の形態は所有から利用へと変化し、対価の支払方法も買い切りからサブスクリプションに変化しています。この流れは戻りません。なぜなら消費者が便利だと感じているからです。
この消費行動の変化により、企業の価値提供のあり方も大きく変わり、従来型の「売り切り」方式から、「サービスの提供」方式へのシフトが必要となります。つまり、単に一過性に商品を販売し対価を得るのではなく、商品の継続的な提供と改善、問合せ対応などを含む優れた「サービス」を提供し、消費者に利用し続けてもらうことで対価を得るかたちになります。
従来の売り切り方式の価値提供しかできていない企業は、最先端のデジタル技術を活用して、顧客視点のビジネスモデルに変革する必要があります。もしできなければ、いち早く変革を成功させた同業者や、ネット企業を含む他業界からの参入者によって、近い将来、マーケットを奪われてしまうことでしょう。
DXを通じて目指すべきは、消費者が何を求めているかをいち早く理解し、適時適切に提案し、利用し続けてもらうことです。新しいものをより早く提案するためには、ビジネスのスピードが命になります。100%のサービスを作り出すよりも、80%でいいから早く提供し、消費者のフィードバックを通して、より良いサービスへと進化させていくことが重要なのです。
しかし、DXの必要性は理解されつつあるものの、「結局、DXを推進するためには、具体的に何をすればいいのかわからない」というのが、多くの企業の実情です。
書籍では、データマネジメントのプロ集団であるデータ総研の36年のノウハウと、弊社コンサルタントが現場で培った経験を元に、そもそもデータとデータマネジメントがなぜビジネスで重要なのか、データマネジメントとは具体的に何をすれば良いのかについて、実務に役立つ「成功法則」としてまとめています。
これまでデータマネジメントに関する書籍は専門書が多く、専門家でなければ読む気さえ起こらなかったと思います。
しかし、DXを成功させるためにはデータマネジメントが不可欠となり、データマネジメントの理解や活用は、もはや専門家だけの領域ではなく、すべてのビジネスパーソンのリテラシーとなります。そのため、書籍執筆にあたっては、システムやデータ、マネジメント業務の知見がない方でもすんなりと理解できるように、とにかくわかりやすく解説することに注力しました。
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