「顧客価値」を軸に、複数事業を横断した戦略的データ活用を推進。価値循環の基盤を整え、持続可能な成長へつなぐ

    現場理解と第三者視点を融合し、データマネジメントを「共通言語」として根付かせる

    旭化成ホームズ株式会社

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    旭化成ホームズ様

    住まいのライフサイクル全体を視野に、長期的な顧客価値の提供を追求する旭化成ホームズ。近年はバリューサイクルの実現に向けて、IT戦略の中核に「データ戦略」を据え、経営の意思決定やサービスの最適化にデータを活かす「データドリブン経営」へのシフトを進めています。しかし、事業や業務が多岐にわたるがゆえに、データ基盤やルールのサイロ化が進み、全社最適を阻む要因にもなっていました。これを打破するために求められたのが、「共通言語」としてのデータマネジメントの整備です。データを価値に変えるルールと仕組みを、いかに現場に根ざす形で実装していくのか――。旭化成ホームズ株式会社 DX・IT推進本部 データ戦略部 部長 川口聡様、プロジェクトリーダー 坂井智亮様と、コンサルティングを担当する株式会社データ総研 小川康二、仲程隆顕、坂本智友里に話を聞きました。※記事中の所属・役職名は取材当時(2025年10月)のものです。

    課題

    • 顧客との長期的な関係構築を支える「バリューサイクル」の実現に向け、データを経営やサービスに活かす仕組みが求められていた

    • 多様なサービスを展開する中で、データを資産として十分に活かしきれていない状況だった

    • データマネジメントの必要性は認識されていたものの、社内だけでは体系的かつ実践的に整備するための知見が不足していた

    解決策

    • データマネジメントの考え方を社内に浸透させるため、「基本方針書」を軸にルールと体制を段階的に整備

    • システム構築・運用を担うデータ活用基盤チームと密に連携し、実際の業務を見据えた綿密なすり合わせを継続的に実施

    • 外部パートナーとして、データマネジメントの専門家の中立的な視点と体系的な方法論を取り入れることで、社内の論理にとらわれない全体最適なルール設計を推進

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    データ戦略を起点に、意思決定を変える。データドリブン経営への進化

    ——旭化成ホームズ様における、データ活用の取り組みについてお聞かせください。

    川口様:
    旭化成ホームズでは、住まいの提供を起点に、リフォームや不動産売買など多様なサービスを展開し、顧客の暮らし全体に寄り添う「バリューサイクル」の実現を目指しています。長期にわたる顧客との関係構築には、事業やサービスをまたいで価値を提供する仕組みが不可欠です。

    そこで現在の中期経営計画では、「データ戦略」と「プラットフォーム戦略」をITの中核方針として位置づけています。特にデータ戦略は、グループ目標としての「データドリブン経営」に直結する重要な指針です。

    この方針を具体化するために、2024年にはデータ戦略室を立ち上げ、従来の保守・業務システム主導の体制から、戦略的な意思決定を支えるIT基盤づくりへと進化を図っています。

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    旭化成ホームズ株式会社 DX・IT推進本部 データ戦略部 部長 川口聡様

    ——データ活用において、どのような課題があったのでしょうか?

    川口様:
    私たちが目指すのは、タイムリーかつ最適な提案を可能にするオンデマンド型のサービス提供です。その実現には、CRMの高度化やターゲティング戦略の強化が欠かせません。

    しかし現実には、過去に構築したシステムやデータ基盤が社内で活用されないまま陳腐化するケースも多く、全社的な価値創出につながりにくい課題を抱えていました。

    そこで重要なのは、「継続的に価値を生み出す仕組み」を整備することです。単にデータを集めるのではなく、意思決定とサービスの質を高める「経営の武器」として活かしていくことが強く求められていました。

    社内の思考だけでは届かない場所へ──壁を越えるパートナーの力

    ——外部パートナーが必要だと考えられた背景を教えてください。

    坂井様:
    データ活用やデータ基盤の構築は、すでに会社として推進する方針が固まっていました。ただ、「データマネジメントとは何か」「どうあるべきか」といった本質的な問いに向き合うには、私たちの持つ知見だけでは限界があると感じていたんです。

    例えば、10あるべき論点のうち、社内だけでは3しか発想できない。残りの7を明らかにし、方向性を確かなものにするには、豊富な経験と専門性を持つ外部パートナーの力が不可欠だと考えました。

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    旭化成ホームズ株式会社 DX・IT推進本部 データ戦略部 坂井智亮様

    川口様:
    最初は社内のコンサルティング部門や、既存のシステムベンダーも候補に挙がっていました。しかし、それらはどうしても既存の仕組みや価値観に引っ張られてしまい、根本からの見直しや発想の転換は難しいと考えたんです。

    本質的な変革を実現するには、理論と現場実践の両面で知見を持ち、既存の枠にとらわれない提案ができる、外部コンサルタントの支援が必要だと判断しました。

    「信頼感・提案力・実績」が重なり合い、共創の決め手に

    ——データ総研を知ったきっかけを教えてください。

    川口様:
    2023年、福岡で開催されたデータ総研さんの親会社であるユニリタさん主催のシンポジウムに参加したのが、最初の出会いです。当時は、社内でも「データマネジメント」や「MDM(マスターデータマネジメント)」という言葉が一般的ではなく、具体的な取り組みも始まっていない時期でした。

    そうした中で参加したデータ総研さんの講演がとても印象的で、「これはまさに今の当社に必要な考え方だ」と直感したんです。

    その夜すぐ、宿泊先から本部長にデータマネジメントの重要性を訴え、社内議論が本格化するきっかけとなりました。

     

    ——他の選択肢がある中で、最終的にデータ総研をパートナーに選ばれた決め手は何だったのでしょうか?

    川口様:
    最終的には、規模やブランドではなく「人」にこそ価値があると考えています。その意味で、小川さんの存在は非常に大きかったですね。私たちの理解度に合わせ、丁寧に説明してくれるコミュニケーション力があり、安心して任せられると感じました。

    また、データ総研さんは特定のシステムや製品を持たない中立的な立場であり、しがらみに縛られず本質を見据えた提案ができるという点も決め手になりました。

    坂井様:
    実績に裏打ちされた信頼感も、選定の大きな理由の一つです。新たな取り組みを社内で理解・承認してもらう際、「他社がどうやって成功しているか」は必ず問われます。

    データ総研さんは大手企業をはじめ、多くのプロジェクトを成功に導いた経験があり、その実績は大きな安心材料になりました。

    現場で活きるルールを、双方向の議論で磨き上げる

    ——プロジェクトは、どのように進めているのでしょうか?

    仲程:
    本プロジェクトでは、データドリブン経営を支える基盤として、全社で共通の枠組みとなる「データマネジメント基本方針書」の策定を支援しています。

    現在は、「データをどう扱うべきか」「セキュリティをどのように担保するか」など、データ活用の中核ルールを、現場の実情やリソースを踏まえて設計中です。

    策定のプロセスは、まず私たちから素案を提示し、それに対して旭化成ホームズ様からのご意見を伺う。週次で議論と修正をしながら、実務に即した内容へと磨き上げています。

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    株式会社データ総研 シニアコンサルタント 仲程隆顕

    坂井様:
    当社は住宅メーカーであり、ITリテラシーにはどうしてもばらつきがあります。

    そのため、私たち自身が内容を理解したうえで、実際の業務にどう適用していくか、現場で無理なく運用するにはどうすべきか。そうした点を一つひとつ確認しながら、丁寧に議論を重ねています。

    データ総研さんは、豊富な支援実績と最新の知見を組み合わせるだけでなく、建築業界や類似業種の事例も交えながら提示してくれるので、大変参考になります。

    ——なぜ基本方針書の策定を提案されたのでしょうか?

    小川:
    実際に取り組み始めて感じたのは、旭化成ホームズ様が非常に自立性と推進力を持つ企業であるということです。CRMやSFA、BIMに至るまで、各領域で着実に整備が進んでいました。

    一方で、これらを全社横断的に機能させていくためには「ルールづくり」がカギを握ります。だからこそ、実運用を見据えた基本方針書の策定をご提案しました。

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    株式会社データ総研 代表取締役社長 エグゼクティブシニアコンサルタント 小川康二

    ——外部パートナーとして参画する際、どのような立ち位置を意識されましたか?

    小川:
    多くのコンサルタントやベンダーが関わる中、私たちが果たすべき役割は、第三者としての中立的な立場から、正しい方向性を示すことだと考えています。

    そのうえで、もし方向性のズレや過剰なコストといった課題が見受けられれば、率直にお伝えしてきました。

    ルールと基盤を両輪に据え、サイロを越えた運用最適化へ

    ——基本方針書の策定を提案されたときは、どのように感じましたか?

    坂井様:
    今後、取り組むべきテーマのひとつだと率直に感じました。ただ、私たち自身にその領域の知見がないため、最初の設計段階でズレが生じてしまうと、修正が困難になる懸念もありました。

    そのため、まずは「幹」である基本構造を専門家の視点でリードいただき、私たちは「枝葉」の調整を現場に合わせて行うべきだと考えました。

    川口様:
    もともと各部門には個別のルールが存在していましたが、システム連携を含めてそのルールがサイロ化している実態がありました。それらを統合するには、単なる運用ルールだけでなく、全体を支える方針や理論的な裏付けが不可欠です。

    とはいえ、私たちだけでは現行ルールの制約に縛られて最適化の判断が難しくなる。だからこそ、原理原則と実践知を兼ねそなえたデータ総研さんの支援には、大きな価値を感じています。

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    仲程:
    過去に支援してきた企業の中には、「ルール整備が不十分なまま運用を進めてしまった」ケースも多くあります。そのような状況では、一度定着した独自の運用を見直すことに強い抵抗が生まれます。

    その点、旭化成ホームズ様は、データ基盤の運用を始める前段階からルールの必要性を認識され、データ基盤とルールの構築を並行して進められている。これは、今後の運用最適化において大きな強みになると考えます。

    方針と実践をつなげるために追求し続ける「わかりやすさ」

    ——実際の取り組みでは、どのような工夫があったのでしょうか?

    仲程:
    まずはお客様の状況や現場の理解度を、丁寧に把握することが何より重要です。

    というのも、基本方針書を読む対象者のITリテラシーやデータへの関心度は、部署や職種などによって大きく異なります。そのため、無意識のうちに「わかる前提」で進めてしまうと、意図した内容が正しく伝わらないことが起こり得ます。

    そのため、プロジェクトメンバーだけでなく、実際にその方針書を活用する現場の方々の視点まで想定し、言葉選びや事例の示し方を常に最適化するよう努めています。

    さらに、策定した方針書が「つくって終わり」にならないよう、システムの構築・運用を担うデータ活用基盤チームとも密に連携しました。運用イメージの共有を通じて、文書と実際の活動がズレないよう調整を続けています。

    坂本:
    私は入社して半年ほどですが、だからこそ「読み手の目線」に最も近い立場にあると思っています。自分が理解に迷う点があれば、その感覚を大切にしながら、より現場に伝わりやすい表現や構成へ改善するよう意識しています。

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    株式会社データ総研 コンサルタント 坂本智友里

    坂井様:
    データ総研さんの知見は、いわゆる教科書的なものにとどまらず、業界の実情や他社事例を踏まえて、常に最新の視点を取り入れた提案になっていると感じます。

    「従来のやり方ではなく、新しいアプローチを試しましょう」といった柔軟な提案もあり、実践に寄り添って、ともにノウハウを構築していける、まさにパートナーという印象です。

    前例なき挑戦に伴走する、信頼できるブレインという存在

    —これまでの取り組みを振り返って、現状をどのように受け止めていますか?

    坂井様:
    最終的な目標は、会社全体で共通のデータルールを持ち、全社最適な運用を実現することです。そのための土台づくりは、着実に前進していると捉えています。

    特に、私たちが迷ったときにデータ総研さんが方向性を明確に示してくれたことは、大きな支えになりました。「今なすべきこと」を示してくれるからこそ、不安なく進められています。

    川口様:
    プロジェクト初期は、支援内容や進め方について、正直厳しく見ていた部分もありました。企業によって求めるレベルや考え方が異なる中で、私たちの文化や業務の実態に合わせていくのは容易ではなかったと思います。

    それでも、議論を重ねるごとに柔軟に調整していただき、いまではプロジェクトの主担当である坂井に安心して任せられるほどの信頼関係が築けています。

    この取り組みは、社内でも前例のない挑戦です。だからこそ、迷いが生じたときに相談できる「信頼できるブレイン」の存在は何より心強く、データ総研さんとパートナーシップを結べて、本当に良かったと感じています。

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    方針整備から「データ文化」を根づかせる、次のフェーズへ

    —今後の展望と、データ総研へ期待することをお聞かせください。

    坂井様:
    今後、現場での運用が本格化する中で、実際に浮かび上がる課題に対して、どのように向き合い、乗り越えていくか。そうした継続的なアドバイスを、ぜひお願いしたいと思います。

    あわせて、私たちが描く将来のシステム像を明確にしていく中で、ロードマップの策定にも伴走いただきたいですね。

    将来的には、会社全体の方向性を形づくるフェーズにも深く関与いただける、より強固なパートナー関係を築いていければと期待しています。

    川口様:
    当社の中期経営計画では、2027年までにデータ基盤が経営や事業の意思決定にしっかりと結びつく状態を目指しています。

    ただ、ビジネス環境や社内のニーズは常に変化し続けるため、構築した基盤や方針書も柔軟に見直し、必要であれば再設計することも必要です。

    そうした変化の局面でも、常に私たちと同じ目線で伴走いただきながら、最適な形をともに模索してくれる。そんな支援を引き続き期待しています。

    小川:
    ありがとうございます。基本方針書の策定後は、日々の業務の中で自然とデータが活用される、実効性の高い仕組みを整えることが求められます。

    そのためには、現場の一人ひとりがデータの価値を正しく理解し、自律的にルールを守る文化の醸成が欠かせません。

    だからこそ、私たちもパートナーとしての責任を胸に、そうした取り組みにも継続的に関わりながら、旭化成ホームズ様が描く未来をともに切り拓いていきたいと思います。

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    企業データ

    ロゴ

    会社名:旭化成ホームズ株式会社

    代表者:代表取締役社長 大和久裕二 

    設立:1972年11月

    事業内容:

    戸建住宅・集合住宅の建築請負、分譲マンションの開発・販売、リフォーム事業、不動産関連事業など

    URL:https://www.asahi-kasei.co.jp/j-koho/

    企業概要: 

    旭化成ホームズ株式会社(Asahi Kasei Homes Corporation)は、本社を東京都千代田区に置く大手住宅メーカー。旭化成グループの「住宅」領域の中核企業である。連結売上高9,935億円(2025年3月期)、連結従業員数12,339人(2025年3月末現在)を擁し、ロングライフ住宅「ヘーベルハウス」を主力ブランドとして、都市型住宅のリーディングカンパニーとして事業を展開。近年は戸建・集合住宅事業に加え、リフォーム、不動産流通、都市開発事業など、住宅周辺事業の成長にも注力している。

    関連情報

    データモデリングスタンダードコース【入門編】

    コース概要

    ジール様でご導入いただいているデータモデリングスタンダードコース【入門編】は、データマネジメントの実践に欠かせないコアスキルである「データモデリング」の基礎を学びます。洗練された方法論に基づく学習プログラムに仕上げているため、初学者でも技術習得が容易な内容となっています。
    詳細はこちら
    https://jp.drinet.co.jp/school/standard-entry

    プログラム

    ・データ活用概論
     データ活用の方法の講義

    ・演習1:仮説を立ててみる
     仮説検証型アプローチの演習

    ・演習2:データモデルで表現してみる
     演習1で考えた内容をデータモデルで表現する演習

    ・まとめ
     データ活用・データマネジメントの関係の解説、講義の振り返り

    データ活用ワークショップ図
    データを活用した業務改善のあるべき姿