SOMPOシステムイノベーションズ株式会社
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「安心・安全・健康のテーマパーク」を目指すSOMPOホールディングスの中核を担う損害保険ジャパン。その基幹システムを全面刷新する「未来革新プロジェクト」において、システム開発で中心的な役割を担うのがSOMPOシステムイノベーションズです。国内損害保険市場でトップクラスのマーケットシェアを占め、大量のデータを持つ損害保険ジャパンのシステムだけに、データガバナンスが課題となっていました。データ総研とのアライアンスでどのように課題解決に取り組んできたのでしょうか。損害保険ジャパンIT企画部未来革新グループの石郷岡広記様と、SOMPOシステムイノベーションズ2期推進グループの南田勇人様にお話を伺いました。
複雑化・肥大化したシステムを刷新するため、肥大化を抑止し、適切に情報管理できるルール制定と組織体制が必要だった。
データモデリングとデータマネジメントを同一チーム内で実施しており、適切にガバナンスを効かせられる
体制になっていなかった。
守るべきルールとデータモデリングの手順が混在しており、遵守すべきポイントが社内やパートナー会社に
伝わりにくかった。
パートナー会社にデータ視点でのデータモデリングの考え方が浸透せず、開発者視点でのデータモデルが設計されていたため、類似項目を削減できていなかった。
「規定書」はルールと手順の部分を切り離し、それぞれを明確化させる書式にした。
データモデリングとデータマネジメントを別組織としたうえで、システム再構築のプロジェクトリーダーと
データアーキテクトを対等な関係とし、データアーキテクトがガバナンスを取れる状態にした。
パートナー会社に研修を実施。開発者視点ではなく、データ視点でのモデリングの考え方について理解を
促し、類似項目の削減に寄与するデータモデルを作成いただくようにした。
「規定書」の書式が定着したことで、ドキュメントの質が全体的に向上しただけでなく、
ルールと手順を明確化させる考え方が定着した。
データモデリングとそれをチェックするチームを分けたことで、データガバナンスに取り組む組織の原型が
確立できた。
プロジェクトチームとデータガバナンスチームの間で、良い意味で牽制しあい、建設的なディスカッションが交わせる関係を築くことができたため、データ構造の問題点を早い段階で摘み取れるようになった。
データ視点でのデータモデルの設計を遵守させるなど、データガバナンスが適切に機能したことで、システム肥大化抑止につながる「類似項目の削減」が実現できた。
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——損害保険ジャパンの「未来革新プロジェクト」は、保険・金融業界のみならず各界から注目を集めています。その概要とSOMPOグループ内の位置づけについて、改めて教えてください。
石郷岡様:損害保険ジャパンの基幹システムは1980年代に構築されたもので、システム基盤や構造が老朽化・複雑化してきているため、今後、目まぐるしく変化していくことが予想される事業環境やマーケットに柔軟かつ迅速に対応し、最高品質のサービスを提供することが困難となっています。そこで2015年にスタートしたのが「未来革新プロジェクト」です。「傷害」「自動車」「火災」といった具合で、保険商品ごとに段階を追って取り組んでいます。
このプロジェクトの成否は、損害保険ジャパンのみならずSOMPOグループ全体にも大きく影響すると考えています。SOMPOホールディングスは、2021~2023年度の中期経営計画で、新たなイノベーションやお客さまとの接点、価値を創出する原動力となる「リアルデータプラットフォーム(RDP)」の構築を目指していますが、中核事業会社である損害保険ジャパンのデータがしっかりと整備されていなければ、その実現は難しいと考えているからです。
——データ総研は、「未来革新プロジェクト」が開始した年からご支援をしていますが、どのような経緯があったのでしょうか。
南田様:損害保険ジャパンのシステムはかなり大きいので、肥大化の抑止を実現するためにも、同じ意味のデータは一元管理をする必要があると考えました。しかし、当時のデータモデル設計チームのメンバーは、全員がデータモデルに精通しているわけではなかったのです。
そこで、まずは基礎を固めようということで、メンバーで手分けしていろいろなデータ関連の研修・セミナーを受講しました。その中で、データ総研さんが主催されていたセミナーに参加したことが、つながりが生まれたきっかけです。
後日、コンサルタントの方と話す機会があり、困りごとなどを聞かれた際に、豊富なノウハウが蓄積されていると感じました。そこで、まずはデータモデリングのルールや手順をまとめたドキュメント、私たちは「規定書」と呼んでいるもののアセスメントを依頼したのです。巨大なプロジェクトでパートナー会社も多数にのぼりますので、ルールと手順を決めなければということは当初から決めており、「規定書」の作成も進めていました。それでも、見落としがあってはいけませんので、専門家のアドバイスが欲しかったというところです。
——データ総研はアセスメントフェーズで、「規定書」のアセスメントの他に、「データオーナシップの統制」「エンタープライズのデータ構造の統制」「システム間I/Fの統制」「標準ドメインと標準コードの統制」「データ設計手順と必須成果物の統制」のアセスメントを実施しました。いかがでしたか。
南田様:私にとっては、アセスメントからすでにインパクトがありました。データ総研さんから言われた以下の言葉は、強く記憶に残っています。
「『規定書』の内容自体に致命的な問題はありませんが、ルールと手順が混在しているため、遵守するべきルールが何なのかぼやけてしまっています」
私は、作業内容については手順に沿って隈なくまとめればいいと考えていました。しかし、それでは読み手にとってはわかりづらいとの指摘を受け、その視点が抜けていたと気づくことができました。結局、「規定書」はデータ総研さんに再作成してもらうことにしました。その出来栄えはもちろんのこと、以降ドキュメント作成の標準フォーマットとして社内に定着したのも良かったと思っています。
このとき、ドキュメントのあり方だけでなく、組織体制についてのアドバイスを受けたのも、「未来革新プロジェクト」全体を考えると大きかったのではないかと考えています。
——どういったアドバイスだったのでしょうか。
南田様:実は当初、データモデル設計チームはアプリ開発チーム内の一部隊という位置づけで、データモデリングに関する業務をすべて担っていました。つまり、データモデルの設計・開発も、それらの成果物のチェックも同じチーム内で実施していたのです。
しかし、「ルールの策定およびチェックをするメンバー」と「ルールの適用を受けてチェックされるメンバー」が同じだと、ルールもチェックも形骸化しかねません。ミスを防ぎ品質を高めるためにも、組織を分けたほうがいいというアドバイスをデータ総研さんからいただいたおかげで、組織再編を実行に移すことができました。
結果として、チェックする側がプロジェクトの全体を俯瞰しながら取り組めるようになり、チェックの粒度が揃いやすく指示もしやすいので、高品質の維持につながっていると思います。
——とはいえ、組織の再編はそう簡単ではなかったと推察します。チームを分けたことをカバーするための工夫などがあれば教えてください。
南田様:確かに、組織を変えようといっても、すぐ実行できるわけではありません。しかもこのケースでは、従来のデータモデル設計チームがチェックを担うデータガバナンスのチームとなりましたので、設計・開発業務を丸ごと他の組織へと移管させなくてはなりませんでした。そのため、なぜ組織再編が必要で、具体的にはこういう道筋で行うといった社内への提案は、データ総研さんのご協力もいただきながら調整し、数カ月がかりで形にすることができました。
また、設計・開発とガバナンスで組織を分けたといっても、密接な連携は保たなくてはなりません。そこで、週1回の会議を設け、各種課題や改善事項の対応検討といった情報の共有をしています。ここで留意しているのが、パートナー会社とのコミュニケーションです。
——どのような取り組みでパートナー会社との関係を円滑にしているのでしょうか。
南田様:「システムの肥大化を防ぐには、データ視点でのデータモデルが必要です。しかし、「規定書」を渡しただけでは、データ視点ではなく、開発者視点のデータモデルが設計されてしまっていました。そこでデータ総研さんにはパートナー会社がデータモデル設計・開発に入る前に事前研修を担ってもらっています。「規定書」を一読しただけで、データ視点でのデータモデリングを理解するのは難しいですが、宿題を用意いただくなど、理解が進みやすい工夫をしてもらっています。加えて、データ総研さんにはモデルのレビューをしてもらっているので、ズレが生じにくくなりました。
あと、ルール策定にも関連しますが、エンティティやデータ項目について、データ総研さんがひとつひとつ緻密に定義してくれたのも大きいと考えています。なぜなら、プロジェクトに途中から参画するパートナー会社やメンバーにとっては、それらのリストがプロジェクトを理解するうえでの“辞書”として有効に機能しているからです。関係者間の協力体制を円滑に維持するうえでも役立っていると感じます。
——今後の展望と、データ総研へ期待することをお聞かせください。
南田様:これまで、システム開発の一貫としてデータマネジメント活動を展開し、情報の一元管理を実施してアプリケーション開発の中で活用してきました。その経験を踏まえて今考えているのは、アプリケーション開発だけでなく、より幅広く活用できる可能性です。「未来革新プロジェクト」にとどまらず、将来的には損害保険ジャパンやSOMPOグループ全体に展開していけるのではないかと考えていますので、その構想も含め、今後もデータ総研さんには支援いただきたいと考えています。
石郷岡様:「未来革新プロジェクト」は非常に長期で、2021年3月に第1期が終了したばかりです。第2期、第3期と今後続いていくわけですが、当然第1期で確立したデータモデルや設計・開発のルールがベースとなっていきます。
その意味で、データ総研さんが基本的なルールやドキュメントの標準フォーマット、組織体制まで踏まえたデータガバナンスのあり方を根本から見直してくださったのは非常に大きいと考えています。「未来革新プロジェクト」にとどまらず、損害保険ジャパンのシステム構築のデータモデルが確立されたといっても過言ではありません。
とりわけ、データガバナンスに関しては、複数のデータモデルの設計者がいる状況ですから、いかに巧みに統制するかが問われます。その点、データ総研さんのご支援は非常に質が高く、深く感謝しているところです。南田さんも述べていたように、幅広く展開していくためより一層のご支援を期待しています。
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会社名: SOMPOシステムイノベーションズ株式会社
代表者:代表取締役社長 内山修一
設立:2015年10月1日
事業内容:システム開発・保守
URL:https://www.sompo-sys-i.com
損害保険ジャパンのグループ会社として、2015年から取り組むシステム刷新を中心に据えた「未来革新プロジェクト」でシステム開発の中心的な役割を担う。損害保険ジャパンの成長を支えるIT推進体制の強化にも携わる。