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マスタ統合はユーザ企業自身が主導すべし

2009/07/08 10:00:00 / by DRIコンサルタント

企業システムは、一般的に構築時期の違う複数のアプリケーションシステムから構成されており、システム毎に開発や保守を担当しているITベンダーも異なることが珍しくありません。それらのシステムはハードウェアのリース切れやミドルウェアのサービスアウト、もしくは新たな業務ニーズや経営課題への対応などを契機として、広範囲なシステム再構築をおこなうことがあります。システム機能改善ばかりでなく、システム縦割りで開発してきたことの弊害を解消しようとする大きな機会といえます。

 

しかし、リソース系と位置付けられるマスタ(取引先マスタ、商品マスタなど)の見直しは開発を委託するITベンダーに丸投げできるものではありません。

 

ITベンダーに開発委託する場合、その内容には新規要件が含まれますが、新規要件以外では現行機能保証ということが当然の要求事項になります。そのため、開発を委託されたITベンダー側の立場に立てば、新規要件を実現するための見直しを除けば、現行機能を保証するために現行マスタのデータ構造を必要以上に見直しすることは避けたいところでしょう。また、業務別に開発チームや開発ベンダーが分かれるような場合、部分最適化に陥りやすく、類似マスタが作成されるなどの問題が起こりえます。

 

このような問題を避け、全体最適の視点でマスタが設計・作成されるためにはどうすべきでしょうか。

 

弊社はリソース先行、概念先行をいうことを主張しています。リソース先行とは取引先や商品などの経営資源に関するデータの設計を個別業務アプリケーションの設計よりも先行して進めることです。概念先行とは物理データベースの設計に先立って、(実装要件を外して)業務的な視点で必要なデータを利用部門と検討し、設計することです。それらのマスタの設計ができていれば、それを拠り所として個別業務アプリケーションの設計を進めることができ、部分最適化の発生を最小限にすることができます。開発委託を受けた範囲内での部分最適化はITベンダーにとっては当然のことであり、それを責めることはできません。

全体最適化の方策は発注元のユーザ企業自身が主導しない限り、実現することは困難です。
事業規模がある程度大きな企業であれば、一般にIT部門(IT全体の管理を担う部署)が存在します。この場合、IT部門がマスタ統合を主導しなければなりません。

Topics: MDM(マスターデータ管理), データマネジメント