全社的なDXやデータ活用のためには、システムや部署ごとにバラバラなマスターデータを管理する必要があります。
本ブログでは、マスターデータマネジメントの成功の可否を分ける、データの業務的な意味を引き出す8ステップを簡単に紹介します。詳細は、データ総研の伊藤洋一による書籍『DXを成功に導くマスターデータマネジメント』(翔泳社)をご覧ください。
https://jp.drinet.co.jp/corporate/books/master-data-management-that-leads-dx-to-success
なぜ「データの業務的な意味理解」がマスターデータマネジメント成功の可否を決めるのか?
数多くのマスターデータマネジメントに関するプロジェクトを見てきた中でいえるのは
「データ項目レベルでの業務的な意味理解が甘ければ、プロジェクトの成功は難しい」ということです。
なぜなら、エンティティレベルでは同じ意味を持つとわかっていても、データ項目レベルでの業務的な意味がわからなければ、データ統合が中途半端になってしまうからです。
エンティティレベルでのデータの定義や範囲、粒度の理解はもちろん必要ですが、データ項目レベルでの理解も必要なのです。
ビジネス部門担当者へのインタビューで、データの業務的な意味を理解する
要件定義フェーズでの現状分析では、画面帳票のサンプルを用いながら、ビジネス部門担当者へインタビューします。
マスターデータの業務的な意味を理解するには、ビジネス部門の暗黙知をうまく引き出さなければなりません。
ビジネス部門担当者から意図した回答を得るには、漫然と質問をするのではなく、質問順序のセオリーや着眼点をおさえる必要があります。
質問順序としては以下の8ステップを推奨しています。
ステップ1:KEYらしき項目に着目
ステップ2:KEY項目の値の桁数に着目
ステップ3:KEY項目のコード体系に着目
ステップ4:粒度と範囲は名称項目の値に着目
ステップ5:実体と役割に着目
ステップ6:採番を左右するデータ項目に着目
ステップ7:別のKEYらしき項目にも着目
ステップ8:区分項目に着目
書籍『DXを成功に導くマスターデータマネジメント』では、法人向けサービス業の顧客マスターや小売業の商品マスターを例に、各ステップでの具体的な質問内容や着眼点を解説しています。
マスターデータマネジメントに取り組もうとしている方に知っていただきたい前提知識
マスターデータマネジメントに取り組もうと取り組もうとされている方におすすめなのが、データ総研の伊藤洋一による書籍『DXを成功に導くマスターデータマネジメント』(翔泳社)です。
https://jp.drinet.co.jp/corporate/books/master-data-management-that-leads-dx-to-success
本ブログで簡単に紹介したデータの業務的な意味を理解する方法のほかに、ビジネス戦略とマスターデータマネジメントの関係性や基盤作り、組織作り、教育作りなど、マスターデータマネジメントに取り組むうえで必須の内容を解説しています。理想論ではなく、現場の担当者向けに現実解を紹介しています。