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マスターデータマネジメントの立ち上げ/企画で、多くの企業が悩みがちな3点を解説!

MDM/データ統合

マスターデータマネジメントの企画フェーズに関するご質問

弊社で定期的に開催している無料の「マスターデータマネジメントセミナー」では、講演中に視聴者よりたくさんのご質問をいただいています。

本ブログでは、マスターデータマネジメントの立ち上げ/企画に関するご質問と、それに対する回答をご紹介いたします。ぜひ、みなさまのお取組みの参考にご活用ください。

研修「伊藤洋一から学ぶマスターデータマネジメント実践コース」では、
マスターデータマネジメントセミナーで講演している伊藤が講師を担当し、
自社、お客様の状況に合ったマスターデータマネジメントを
自ら考えられるように導きます。

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目次

Q1. マスターデータマネジメントに取り組むべきタイミングがありますか?

Q2. 社内の異なる事業体(例:原子力事業や家電事業など)に対して、マスターデータを全社で一つにまとめるべきでしょうか?

Q3. マスターデータマネジメントプロジェクトでは、業務知識が必要とのことですが、開始段階から業務部門を巻き込むべきでしょうか?それとも、IT部門があらかじめ一元化するマスターデータを決めるケースもあるのでしょうか?

 

Q1. マスターデータマネジメントに取り組むべきタイミングがありますか?

A1. マスターデータマネジメントに取り組むタイミングとしては、以下の2つがあるでしょう。

まず、似たようなマスターデータが増えてきたときが一つのサインです。特に、企業のM&A戦略を進める中で、2社、3社と統合されると、業務プロセスは何とか適応できていても、データの管理は限界が見えてくることがあります。例えば、各社の異なる会社コードを無理やり管理している段階では何とか運用できますが、やがてその方法では対応しきれなくなるタイミングが来ます。そのタイミングで「データの再構築」が必要になり、マスターデータマネジメントの導入が必須となるのです。これが一般的な進め方です。

またデータ活用の観点では、DWH(データウェアハウス)やデータマート、アドホックなデータ分析が増えてくると、似たようなマスターデータを何度も取り込んだり、新たに作らざるを得ない状況に直面します。このような事例が繰り返し発生し、データのメンテナンスや工数が増えていくと、限界点に達します。この「限界」を感じるタイミングは企業ごとに異なりますが、データ量が増加し、維持管理が困難になったときがマスターデータマネジメントを導入する一つの判断基準となります。
通常1年から3年の期間を経て、データ管理に限界を感じるようになったときに、マスターデータマネジメントを本格的に導入することが適切と言えるでしょう。

 

Q2. 社内の異なる事業体(例:原子力事業や家電事業など)に対して、マスターデータを全社で一つにまとめるべきでしょうか?

A2. マスターデータを全社で統一するどうかについては、その意味や目的をしっかり考えることが重要です。業務の性質や目的によっては、必ずしも統一することが最適ではない場合もあります。

例えば、都道府県マスターや金融機関のマスターなど、事業横断的に利用できる「業務に依存しないマスターデータ」は、全社で統一するのが望ましいでしょう。しかし、顧客や商品など、事業ごとに異なる性質を持つデータに関しては、無理に統一する必要はありません。異なる事業体に属する顧客や商品は、分けて管理することが現実的な場合が多いです。

ただし、全社統一が求められる部分もあります。例えば、従業員に関するデータや組織構造は、全社統一することが望ましいでしょう。一方で、悩ましい部分は顧客取引のデータです。原子力事業と家電事業では顧客層や取引状況が異なるため、取引の管理方法も変わってきます。

ここで重要になるのが「会社マスター」や「企業マスター」といった、法人レベルでのデータ管理です。全社で統一した企業マスターを使いつつ、各事業体ごとに購入契約や販売契約のデータを個別に管理する方法が考えられます。こうすることで、法人データが一貫して管理されながらも、事業ごとのデータの柔軟な管理が可能になります。

要は、データ設計を行う際には、全社統一が必要な部分と、個別に管理すべき部分をしっかりと区別し、ガバナンスを効かせる形で運用することがポイントです。

 

Q3. マスターデータマネジメントプロジェクトでは、業務知識が必要とのことですが、開始段階から業務部門を巻き込むべきでしょうか?それとも、IT部門があらかじめ一元化するマスターデータを決めるケースもあるのでしょうか?

A3. 基本的には業務部門を巻き込む方が良いです。できる限り早い段階から業務部門を巻き込むことをお勧めします。

なぜ業務部門を巻き込むべきか
マスターデータマネジメントは、業務用語の定義を行うことと同じです。例えば、「商品」という言葉が何を意味するのかを決めるのは、業務部門の役割です。具体的には、商品開発部門が「商品」をどのように定義しているかを確認し、その定義を反映したマスターデータを作成する必要があります。このように、業務部門に定義を決めさせることが、データの整合性を保つためには非常に重要です。

最初から業務部門を巻き込んでおくと、結果的にプロジェクトの進行がスムーズになります。表面的には遠回りに見えるかもしれませんが、長期的に見るとこれが最速の方法です。

すぐに業務部門を巻き込むことが難しい場合
しかし、予算や業務部門の忙しさによって、すぐに業務部門を巻き込むことが難しい場合もあります。このような状況では、IT部門が先に一元管理できるマスターの範囲を決め、重点的に業務部門へ確認を取るという方法も有効です。また、IT部門が現状のデータから素案を作成し、それを叩き台にして業務部門と調整を進める方法もあります。

結論
理想的には、最初から業務部門を巻き込むべきですが、状況によってはIT部門が素地を作り、そこから業務部門と調整を進めるアプローチも可能です。各プロジェクトの状況に応じて、柔軟に対応することが重要です。

伊藤洋一から学ぶ
マスターデータマネジメント実践コース

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自社、お客様の状況に合ったマスターデータマネジメントを自ら考えられるように導きます。
本ブログのように、研修内で自社の悩みを相談いただければ、著者の伊藤が講師として親身になってお答えさせていただきます。

※「DXを成功に導くマスターデータマネジメント43」を読んで頂いた方に水準を合わせて研修を行いますので、受講にあたっては、事前に読んでいただくことをお願いしております。