株式会社ジール
企業のDX推進支援を手掛けるジールは、30年以上にわたってデータ活用を支援してきた豊富な実績・経験を強みに、マルチベンダーに対応し、コンサルティングから環境構築、運用、教育・定着の支援まで一気通貫で、DXの全領域をサポートします。
近年、エンドユーザー企業との直接取引が増えるなか、「業務を理解した上で、どのようにデータ活用へつなげるか」というデータモデリングの観点・知識が、ますます求められるようになりました。そこで、データ総研のデータモデリングスタンダードコース【入門編】を採用し、定期的に研修を実施して、社員のスキル向上を目指しています。
主に技術面での人材育成を担当する株式会社ジール 人事部 チーフスペシャリスト 上田浩行様と、コンサルタントとして実際に研修に参加した株式会社ジール マルチクラウドデータプラットフォームユニット第二部 シニアコンサルタント 我妻浩幸様、研修で講師を担当したデータ総研の持田恵佑チーフコンサルタントに、詳しく話を聞きました。
エンドユーザー企業と直接取引が増えるなか、データの視点で業務を理解する「データモデリング」の必要性が増加
技術的な観点からの研修しか実施しておらず、業務の観点から体系的にデータモデリングを学ぶ機会がない
自社案件では業務システムを扱う機会がなく、お客様の業務を知る経験が得られない
人事部主導でデータモデリングスタンダードコース【入門編】を導入した
データモデリングスタンダードコース【入門編】を3年連続で開催し、計37名が受講した
座学だけではなく、ペアでディスカッションしながら学ぶことで、理解が深められた
データモデリングについて、どのように考え、整理すればよいのか、体系的に知識を得られた
お客様の業務をデータの視点で考え、整理する手法を学ぶことができた
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——データプラットフォーム構築を多く手掛けるジールはデータ分析に強いという印象がありますが、近年の事業について、傾向や状況などをお聞かせいただけますか?
上田様:
ジールは、データを最大限に活用し、お客様のDXをサポートするDX推進事業を展開してきましたが、最近改めてデータを活用するにはお客様の業務を知ることが重要だと感じています。その背景にあるのが、エンドユーザー企業との直接取引の増加です。直接取引では、これまでSIerが担っていた部分も含め、より深い業務理解が求められます。
同じ企業でも複数の部署から個別に案件を請けるケースもあるのですが、個別最適にシステムを構築するのではなく、全社でのデータ活用の観点からベストなものを提案するべきです。企業としてDXにおけるデータ活用の方針は出していても、部署ごとによって業務も考え方も異なるため、部署のことだけを考えて詳細を決めてしまうと、全体方針と大きくズレてしまうリスクがあります。これを避けるためにも、データの後ろにどんな業務があるのか、業務を理解してデータへと落とし込むことは欠かせません。
——業務からデータ活用を考えるのはまさにデータモデリングの領域ですが、人事部としてそういった研修をすべきと考えたということでしょうか?
上田様:
私は主に、テクニカル系の研修・育成を担当し、プロジェクトマネジメント研修や中途入社の社員を対象としたデータ分析の研修など、全社共通で必要な研修の実施、スキルマップや育成ガイドラインの作成などをおこなっています。
私自身もエンジニアの経験があり、以前は小売業・金融業のDWH構築に携わっていました。システム規模が大きい企業では、業務システムだけで数十にのぼることもありますが、各システムの数字と、DWHが最終的に出力したレポートや帳票の数字に、整合性が取れていることが求められます。そのためには、DWHに集められたデータだけを見るのではなく、そのデータがどうできているのかを深く知っていなければなりません。ER図をベースに業務で何をしているのかを考えた上で、DWHを設計していくことになりますが、これはまさにデータモデリングの領域であり、コンサルタントとして必須の知識です。これまでの研修は、テクニカルな観点でのモデリングが中心で、業務理解の観点は不足しており、別途研修をおこなう必要があると考えました。
我妻様:
私を含め、前職などで業務システムの構築に関わった経験があり、経験則としてデータモデリングを理解している社員はいます。ただ、体系的に学ぶ機会はあまりないので、そういった研修はありがたいです。特に新卒で入社すると、ジールでは業務システム構築に関わることがないため、システム構築から業務を理解する経験も積めません。データ総研のデータモデリング研修は、テクニカルな視点というよりは業務理解の視点でのデータモデリングを学ぶよい機会になると思います。
——「データモデリングスタンダードコース【入門編】」を採用した理由を教えてください
上田様:
以前よりデータ総研と取引があったことから、データモデリング研修では真っ先に候補に挙がりました。他社の研修も比較検討したのですが、技術的な観点の研修が多く、「業務を理解するためのデータモデリング」という本質的な研修はデータ総研だけだったと記憶しています。
持田:
データ総研では、「システムはすべて業務がベースになっている」という考えのもと各種サービスや研修を提供しています。ジール様は、システムからデータを正規化し、分析環境を構築するところに強みがありますが、研修を通して、業務とデータをつなぐデータモデリングについて理解を深めていただければ、コンサルタントの皆様が活躍する場が広がるのではと提案しました。
また、普段から、データモデリングスタンダードコース【入門編】を提案する際に、新人研修の一環として、データモデリングを通じた業務理解を進められるとお話ししており、こういった点もご要望にマッチしたのではないでしょうか。
——研修をスタートするまでは、どのように進めたのでしょうか?
上田様:
ちょうど人事部内で新しい研修を試そうという話が出ていたこともあり、検討開始から1~2ヵ月ほどで導入を決めました。社内でもトライアルとしての位置づけでもあり、研修について「コンサルタントにとっては、体系的な学び直しができる」「新入社員などは、業務からデータを知るプロセスを学べる」と、立場ごとに得られるメリットなどを周知した上で、各部署から参加希望者を募る形でスタートしました。
持田:
短期間で導入したいというご要望もあり、カスタマイズもジール様にあわせた内容を少し追加する程度で、標準的な内容での研修をおこないました。初年度は2日間構成の研修ですが、研修後半で利用するツール操作もあわせて扱ってほしいという要望をいただき、次年度より3日間構成で実施しています。
——我妻様は、データモデリングスタンダードコース【入門編】を2022年に受講されたということですが、感想などを伺えますか?
我妻様:
私たちが手掛ける案件では、データの領域を作業範囲としており、業務ロジックなどを確認することはありません。そのため、データから業務を導いた上で、業務変革へとつなげることが求められます。お客様によりよい提案をするためにも、データモデリングは必要な知識だと考え、研修に参加しました。
研修を通して、これまで感覚的にとらえていた部分について、整理された方法や考え方を学ぶことができました。例えば、テーマに沿って実際に描いたER図などが、演習での"正解"とは異なることがありました。これまでの経験から考えると、自分が描いたものも正しいと思っていたのですが、先のことまで考えると、なぜ“正解”のようにすべきか、が納得できます。どのように考えるかを体系的に学ぶことができ、大変参考になりました。
上田様:
技術的な観点からデータを見ていると、データ同士の関係性だけで考えてしまいがちです。業務までを意識すると違う見え方になるという気づきがあったのではないでしょうか。
我妻様:
そうですね。データをスポットで見ていると正しいように思えても、業務全体から見ると違うことがあると学びました。実際の案件でも、俯瞰的な視点から業務を整理することで、よりよい提案ができるはずです。例えば、あるデータをそのまま集計すると、もとの業務システムと整合性が取れなくなってしまう、といったこともあり得ますが、業務を理解していれば、「この数字をどういう形に加工してよいか」まで判断したうえで適切な提案につながると思います。
——研修の内容はいかがでしたか?
我妻様:
実際に手を動かして図を作成するほか、パートナーとディスカッションしながら進める時間もありました。1人で作業していると、どうしても自分の考えで固まってしまうため、学んだ内容を整理する意味でも有意義でした。
持田:
研修初日は個人での作業、その後はペアでディスカッションする構成としています。これは、「誰かに話す」というアウトプットも理解を促すと考えているためで、実際、初日は学んだ内容を消化しきれていない方が多くても、ディスカッションを経て腹落ちしていくように感じています。
——研修で学んだことは、実際の業務でどのように活用されていますか?
我妻様:
今、担当している案件ではなかなか活かす機会がないのですが、業務改善の依頼があれば、ヒアリングやシステム提案のなかで、データ整理・業務分析をおこなう方法の1つとして使えると考えています。
上田様:
データモデリングスタンダードコース【入門編】は2020年度から3年連続で開催し、計37名が受講していますが、データベーススペシャリスト資格の受験者が増えるなど、データに対する意識が高まってきたと感じています。データモデリングへの関心を実業務へとつなぐ次のステップを模索しています。
持田:
もともと業務をベースにシステムがあり、それらのシステムのデータをとりまとめて分析・活用するのが一般的な流れです。ジール様はこの分析基盤構築に注力されてきたと思うのですが、データモデリングにより視野を広げ、「そもそも分析基盤が業務システムのなかでどのような位置づけなのか」「データ構成が最適な状態になっているのか」まで考えることで、提案の価値向上にもつながるのではないでしょうか。
また、データモデリングを習得している社員が増えると、社内での共通言語になり、コミュニケーションが円滑になるといった効果も期待できると思います。
――今後の予定や、目指していることがあればお聞かせください。
上田様:
2022年12月には、DWH基盤についてデータマネジメントの観点から体系的に学ぶデータアーキテクト養成の研修もお願いし、18名が受講しました。お客様のなかにはDMBOK(Data Management Body of Knowledge)などを学んでいる方も多く、共通した知識をベースに会話ができれば、提案もしやすいのではと考えています。やはり、理論的な後ろ盾があるとないのでは、違うでしょう。
我妻様:
お互いの経験をベースに話をしているとどうしてもかみ合わないことがあるので、同じ知識や理論をもって話せるのはよいなと思います。もちろん、現場ではそうキレイに進むことばかりではありませんが、話を進める筋道やガイドラインとしては有効なはずです。
上田様:
弊社は様々な業種・業界のお客様がいますから、各業界のデータモデリングのパターンを学べるような研修があればお願いしたいです。
我妻様:
業界標準を学べば、お客様のデータが標準から外れているかどうかがわかりますし、標準と違うときには、自社の強みを出すために敢えてその構成なのか、それとも長年の慣習でそうなっているだけで、業務が非効率になっているのかなども見えてくるはずです。業界ごとのパターンを学ぶ研修は気になりますね。
持田:
ありがとうございます。そういった研修もぜひ検討したいと思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
会社名:株式会社ジール
代表者:代表取締役社長 沼田 善之
設立:2012年7月
事業内容:
デジタルトランスフォーメーション推進事業
AI/BI/DWHコンサルティング事業
AI/BI/DWHインテグレーション事業
AI/BI/DWHソフトウェアライセンス・ハードウェアの販売及び保守
デジタルトランスフォーメーション人材育成事業
アウトソーシング事業(労働者派遣事業:派13-305385)
企業概要:
データプラットフォーム構築から人材育成まで、幅広いサービスで企業のDX推進を支援。30年、1,000社を超えるBI/DWH構築実績を誇り、豊富な経験・ノウハウを持つプロフェッショナルが企業のDXに伴走。AIなど先端テクノロジーを活かした、分析環境の開発・提供もおこなう。
ジール様でご導入いただいているデータモデリングスタンダードコース【入門編】は、データマネジメントの実践に欠かせないコアスキルである「データモデリング」の基礎を学びます。洗練された方法論に基づく学習プログラムに仕上げているため、初学者でも技術習得が容易な内容となっています。
詳細はこちら
https://jp.drinet.co.jp/school/standard-entry
・データ活用概論
データ活用の方法の講義
・演習1:仮説を立ててみる
仮説検証型アプローチの演習
・演習2:データモデルで表現してみる
演習1で考えた内容をデータモデルで表現する演習
・まとめ
データ活用・データマネジメントの関係の解説、講義の振り返り