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データハブとは?なぜ必要?分かりやすく解説!

MDM/データ統合
Blue globe on the digital technology background

はじめに

最近の基幹系システム再構築、SoESystems of Engagement:顧客と繋がるためのシステム)の構築やビッグデータ分析などのプロジェクトには、‟システム間連携の見直し”という共通テーマがあります。そして、それらのプロジェクトをきっかけにして「データHUBシステム構築プロジェクト」を立ち上げるケースが増えています。今回は、データHUBシステムについて取り上げます。

データハブシステムとは?

データハブ(データハブ)システムとは、企業の標準データを一時的に蓄積し、複数のシステム間インタフェースを一カ所で管理するシステムのことです。

データHUBは、データを欲しいシステムが欲しいタイミングで取り出すために、企業の標準データを非同期で連携する機能や、コード(文字コード/値)やフォーマット(ファイル形式/レイアウト)、スキーマ(データ構造)の変換機能を持ちます。

 

図1. データハブの機能

図1. データハブの機能

 

企業がこぞってデータハブ導入を決断する理由

「保守運用するIT子会社に依頼すれば、必要なシステム間インタフェースは構築して貰える」とか、「1ヶ所にインタフェースを集約するために、開発における様々なリスクも集中してしまう」等々を考えると、割に合わないような気もします。

では、なぜデータHUBシステムを導入する企業が増えているのでしょうか?筆者の経験したケースは、大きく分けて以下の3つです。

1.システム間インタフェースの管理が追い付かなくなった

場当たり的なシステム開発をし続けたことで、システム間インタフェースの数が爆発的に増えてしまい、管理しきれなくなったケースです。

このような状況を放置していると、様々な不都合が生じます。例えば、同じ内容のデータを幾重にもシステム間連携することによって、システムに応じてデータを変換するコストが必要以上にかさんでしまいます。そのほか、各システムでのデータに不整合が生じるリスクが増大する、システム改修・入の際の影響範囲が見えにくいなどの問題も出てきます。

データハブを導入して無駄なシステム間インタフェースを削減することにより(図2)、上記のような状況を脱却することができます。

図2.データハブ導入によるシステム間インタフェースの最適化

図2.データHUB導入によるシステム間インタフェースの最適化

2.デジタルトランスフォーメーション(DX)に対応したい

DXに対応する目的で、データHUBを導入するというケースです。

ここでいうDXとは、「デジタルによりビジネスモデルや組織、業務プロセスなどを変革し、業績や顧客満足度を向上させることを意味します

DXを実現するためには、SoR(Systems of Record)とSoE(Systems of Engagement) / SoI(Systems of Insight)を、必要なタイミングで連携できるような仕組みを備えておく必要があります。SoRは簡単に言うと、基幹系システムに代表されるような「記録のためのシステム」です。SoEは「顧客と繋がるためのシステム」であり、SoIは「洞察を得るためのシステム」です。

例えば、SoRからSoEに対するデータ連携を考えてみます。SoRからSoEに対してデータを滞りな連携することカスタマーエクスペリエンスの向上に寄与します。ひいては競争上の優位性を獲得することに繋がるでしょう

ところが厄介なことに、SoRとSoE/SoIは開発主体が異なっており、なかなか開発の段階で連携することを想定できていません。SoRは、IT部門が保守運用しています。一方SoE / SoIは、事業部門などIT部門以外が主体で導入~構築を行っています。

そこで、データハブを導入します。データハブは、これらのシステムが必要なタイミングで連携することを助け、DX実現に大きく貢献します。

3. 非構造化データを用いたデータ分析を行いたい

データレイクに蓄積した非構造化データを活用するために、データハブを導入するケースです。データハブを導入することで、非構造化データと企業内に存在する構造化データの連結を促進し、高度な分析に役立てます。

データレイクを用いて、タグ付けをした非構造化データを蓄積する企業も増えてきました。企業としては、それらのデータから得られる価値を最大化したいところです。

データハブを導入することで、非構造化データと構造化データを統合した分析がタイムリーに実施できる仕組みが作れます。

おわりに~データハブの活用~

データハブを活用したシステム間インタフェースの最適化は、企業の持続的な成長を強く後押しします。もしも皆さまの企業で上記に該当することがあれば、ぜひデータハブシステム構築にチャレンジされることをお勧め致します。

データハブの参考情報

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本コースでは、データアーキテクトとして求められる役割と、その実践ノウハウを学ぶことができます。

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