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DRIブログ

「成功企業のリーダー、ファシリテーターが持っているスキルは?」など、マスターデータマネジメントについてみなさまからの疑問にお答えしました

MDM/データ統合

マスターデータマネジメントが注目されています

2月2日開催「DXを成功に導くマスターデータマネジメント」刊行記念セミナーには、143名にご参加いただきました。また、4月25日開催のマスターデータマネジメントセミナーには、126名にご参加いただきました。たくさんのご参加ありがとうございます。
セミナーでは参加者から多くの質問が寄せられ、マスターデータマネジメントが注目されていると実感しました。

本ブログでは、セミナー中に参加者からいただいたご質問と、それに対する回答をご紹介いたします。ぜひ、みなさまのお取組みの参考にご活用ください。

伊藤洋一から学ぶマスターデータマネジメント実践コース

マスターデータマネジメント実践コース

 

「伊藤洋一から学ぶ マスターデータマネジメント実践コース」 の詳細はこちら

 

目次

Q1. マスターデータマネジメントの体制、プロセス、人材育成はどのようなステップで定めるのがいいか?

Q2. マスターデータマネジメントは必ず全社的に実施する必要があるか?部署レベルで実施しても問題ないか?

Q3. マスターデータマネジメント成功企業のリーダー、ファシリテーターが持っているスキルは?

伊藤洋一から学ぶマスターデータマネジメント実践コースのご案内

 

Q1. マスターデータマネジメントの体制、プロセス、人材育成はどのようなステップで定めるのがいいか?

A1. 王道のやり方としては、最初にビジネス施策を把握することが重要です。次に、ビジネス施策を実現するために必要なデータ要件を抽出し、必要なマスターデータマネジメント施策を検討します。そして、施策実行に必要な体制やプロセスを定めます。最後に、ジョブローテーションや人事評価を考慮し、組織目標・行動目標・学習目標を定め、教育環境を整えます。

ビジネス施策が明確でない場合は、事業部や経営層へのインタビューを実施し、悩みや課題を把握することが必要です。
例えばサービス業のA社では、サービスごとに契約情報が管理されていることから、営業担当者は他のサービスの契約内容を把握することが容易ではありませんでした。その結果、他のサービスで契約しているお客様に対し、A社とは未契約と判断し、契約状況の把握において、ちょっとしたトラブルが生じていました。現在において、LTVの最大化を考えるとマイナスになるため、このようなトラブルは避けたいということがインタビューを通じて明らかになりました。このような課題を解決するために、事業部とすり合わせて、ビジネス施策として定めるとよいでしょう。

「伊藤洋一から学ぶマスターデータマネジメント実践コース」では、架空の企業を題材に、ビジネス要件、データマネジメント要件を抽出し、マスターデータマネジメントの組織・体制・プロセス・ルール・教育を考える演習をおこないます。
自社に合ったマスターデータマネジメントにお悩みのかたにおすすめです。

 

Q2. マスターデータマネジメントは必ず全社的に実施する必要があるか?部署レベルで実施しても問題ないか?

A2. マスターデータマネジメントは必ずしも全社的に実施する必要はありません。 
全社的にすべてのマスターデータを管理しようとすると、ステークホルダーが多いため、実現が困難になります。ビジネス目的を起点にし、どの組織のどのマスターデータについて取り組むか検討することが重要になります。

例えば、M&A後の小売業B社では、発注、受注、入荷、入庫、店舗出荷、検品、売上といった業務オペレーション層の非効率な情報伝達の改善を目的に、全社的なマスターデータマネジメントを実施することがあります。しかし、この場合でもすべてのマスターデータについて取り組むのではなく、「まずは最も問題があり、投資対効果が大きい商品マスターに優先的に取り組み、順次、取引先マスター、社員マスターに取り組む」といったアプローチが一般的です。

一方、金融業のC社では、営業戦略に基づくマネジメント層の意思決定の精度向上を目的に、KPIツリーを定め、仮説と実績を比較できるような取り組みを実施します。この場合は顧客マスターの統合に注力して、その後、商品コードの粒度の調整、営業成績を考慮した組織や社員の在り方を検討し、マスターデータを管理できるようにもっていきます。

 

Q3. マスターデータマネジメント成功企業のリーダー、ファシリテーターが持つスキルは?

A3. 会社や組織のミッションが明確で、担当者が目的意識を持って取り組んでいることが前提となりますが、スキルとしては、①業務知識②データモデリング③抽象化能力の3つが挙げられます。

まず①業務知識についてです。
業務知識を持つことが、各事業部門の方とディスカッションする土台となります。
業界の一般的な業務を書籍等で理解するのはもちろんですが、業務担当者にインタビューし、自社の(SI企業の場合はお客様の)実際の業務の流れについてきちんと理解する必要があります。

続いて②データモデリングについてです。
業務知識を理解し、データモデリングを習得することで、「この業務にはこのようなマスターデータが必要では」という仮説が立てられるようになります。
まず仮説を立て、その後に各事業部門担当者とディスカッションすることで、スムーズにマスターデータを検討することができます。
データモデリングを習得するには、データモデリングに関する書籍を読む、IPAのデータベースペシャリスト試験の勉強をする、といった方法があります。
弊社では、データモデリング研修をご用意しております。架空の企業を題材に、システムの画面帳票からデータモデリングし、統合作業まで経験できるので、実践的なデータモデリングを効率よく習得できます。

データモデリングスタンダードコース【入門編】
https://jp.drinet.co.jp/school/standard-entry
その他のデータモデリング研修
https://jp.drinet.co.jp/school#anch_2

最後に③抽象化能力についてです。
マスターデータマネジメントの肝は、各部門で異なる使われ方をしている用語の意味を合わせていくことですが、これには抽象化能力が重要となってきます。「似たような言葉で、『商品』と『部品』と『材料』があった場合に、抽象度を上げると、『品目』としてまとめると、うまく管理できそうだ」といった思考を働かせることを、ここでは抽象化能力といっています。
抽象化能力もデータモデリングの習得や経験で身に付けることができます。
また、考え方として書籍「DXを成功に導くマスターデータマネジメント43」の【RULE15管理対象の本質を知る】、【RULE17関係の本質を知る】を読んでいただくこともお勧めします。

ここまでリーダー、ファシリテーターに必要なスキルとして①業務知識②データモデリング③抽象化能力を挙げましたが、すぐに3つのスキルを身に付けるのは難しいのが現実です。もし、すぐにマスターデータマネジメントのリーダー、ファシリテーターを担う必要があるなら、最低限、エンティティの意味定義(特に範囲と粒度)にこだわることをおすすめします。エンティティの範囲と粒度を突き詰めることで、「範囲と粒度が同じだから統合できそうだ」、「範囲と粒度が異なるから統合できない」といった思考ができるようになります。

 

伊藤洋一から学ぶ
マスターデータマネジメント実践コース

バナーMDM研修

自社、お客様の状況に合ったマスターデータマネジメントを自ら考えられるように導きます。
また上記ブログのように、研修内で自社の悩みを相談いただければ、講師の伊藤が親身になってお答えさせていただきます。

※「DXを成功に導くマスターデータマネジメント43」を読んで頂いた方に水準を合わせて研修を行いますので、受講にあたっては、事前に読んでいただくことをお願いしております。