組織・体制づくりの考え方とは
弊社で定期的に開催している無料セミナー「データガバナンス/データマネジメント組織づくりセミナー」では、セミナー中にたくさんのご質問をいただいています。
本ブログでは一例として、7月18日開催時にセミナー中にいただいたご質問と、それに対する回答をご紹介いたします。ぜひ、みなさまのお取組みの参考にご活用ください。
目次
Q1. データスチュワードの担当はどのような部門の方が担っている場合が多いでしょうか?
Q2. データ利活用の組織について、スモールスタートを前提として最低限何名ほどのアサインが必要でしょうか?
Q3. 事業部門側でデータ活用環境が構築され、セキュリティや品質に関する検討が十分なされていない状況ですが、会社としてガバナンスを構築するには何から始めたらよいでしょうか?
Q1. データスチュワードの担当はどのような部門の方が担っている場合が多いでしょうか?
A1. 基本的には、DX推進部門は経営企画部に多く見られます。そのため、経営企画部門の人がデータスチュワードを担うことが多いです。
理由としては、DX推進はコーポレート的な立場から行われることが多く、経営層に近い位置にDX組織が置かれるからです。DXを進めることで、経営のやり方が変わり、サービス中心の業務が変わっていきます。例えば、LTV(顧客生涯価値)の最大化や顧客のタッチポイントを意識してデータを収集し、ニーズを捉えるといった経営的な判断が必要になります。そのため、経営層に近い組織にDX組織が配置されることが多いのです。
データマネジメント領域もDX組織の一部として配置されることが多く、結果としてデータスチュワードもその中に含まれることが多いです。しかし、現場との距離が遠くなることが課題となる場合もあります。そのため、現場スチュワードと経営的な全社領域スチュワードを分けることもあります。初期段階では現場スチュワードだけで進め、成熟してきたら全社領域スチュワードを設けるアプローチもあります。
CX(顧客体験)領域だけに集中して取り組むなど、工夫しながら成熟させていくことが重要です。
Q2. データ利活用の組織について、スモールスタートを前提として最低限何名ほどのアサインが必要でしょうか?
A2. スモールスタートの場合、データマネジメント組織全体で最低限3人が必要です。具体的には、スチュワード的な役割を担う人、リーダー的な役割を担う人、そしてアーキテクト的な役割を担う人の3人です。もしリソース的に厳しい場合は、スチュワードとリーダーでうまく分担し、スチュワードがアーキテクト的な役割も兼務する形が考えられます。
ただし、リーダーシップを取れる人が絶対に必要です。役員や部長クラス、あるいは課長クラスでも良いですが、現場の理解がある人を適切にアサインすることが重要です。3人いると様々な要素を考慮できるので理想的ですが、最低でも2人は必要です。
Q3. 事業部門側でデータ活用環境が構築され、セキュリティや品質に関する検討が十分なされていない状況ですが、会社としてガバナンスを構築するには何から始めたらよいでしょうか?
A3. 会社としてガバナンスを始める際に重要なのは、データ活用系のガバナンスを効かせるための5つの要素です。これらは品質、セキュリティ、メタデータ管理、データアーキテクチャ、データモデリングです。
まず、データの活用基盤が汚れていくのを防ぎたい場合は、データモデリングやデータウェアハウス(DWH)・ビジネスインテリジェンス(BI)系のアーキテクチャに注力します。一方、セキュリティリスクが高い業界や取り扱うデータの性質によっては、セキュリティのルールやデータ活用の信頼性を高めるための品質管理が重要となります。
さらに、コンサルティング的なアプローチを取りたい場合は、データモデルとメタデータ管理に焦点を当てると良いでしょう。これにより、データの辞書的な管理が可能となり、データの一貫性と信頼性が向上します。
目的を明確にし、上記の5つの要素から優先順位を決めて取り組むことで、効果的なデータガバナンスを構築することができます。
データ総研が開催する無料セミナー「データガバナンス/データマネジメント組織づくりセミナー」では、データガバナンス、データマネジメントを推進するための組織・体制づくりをどう考え、どのように進めていくかをわかりやすく解説しています。
セミナー中には上記のような視聴者様からのご質問に回答するお時間も設けておりますので、データガバナンス、データマネジメントでお悩みをお持ちの方はぜひご参加ください。
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