最近あちこちで聞かれるようになった言葉にMDMこと”Master Data Management”があります。
日本語では「マスターデータ管理」、「マスターデータ整備」、はたまた英語そのままに「マスターデータマネジメント」と呼ばれ、システム関連のトレンドのひとつになりつつあります。ですがこの言葉はそもそも何を意味して、どんな経緯で生まれてきたのでしょうか?
90年代に起きたメインフレームからクライアントサーバへの移行は、安価にシステムを構築する機会を企業に与えましたが、中央で統一管理されていたシステムを切り崩し、いわば孤島化されたシステムごとに分断されたマスターをつくるという弊害を引き起こしました。販売や生産といったシステム毎にマスターデータの基準が異なり、それらを連携する必要がでてくると職人的なスキルが必要とされ、管理コストが上昇したのです。
この状況を解消するため、各ベンダーはCRMやERPのパッケージを開発・販売しましたが、企業によってはパッケージのカスタマイズでも対応できない部分が残り、サイロ化したマスターとなってシステムの統合を阻害しました。
アメリカでは2003年頃から、水平横断的に統合された顧客データ管理のための新しいシステムの必要性が叫ばれはじめます。このニーズに応えようと多くのベンダーが、顧客データの統合を目指すソリューションを開発しはじめました。やがてこの流れは顧客マスターをこえて製品・商品・組織などのマスターにまで広がり、分割されたシステムを越えて社内マスターを一元管理するというMDMの発想が生まれることになったのです。
日本においてもMDMは、2007年頃からマスター統合のソリューションとして認知されはじめ、ここ最近MDMを冠した製品やセミナが増えてきています。
1985年の創業以来、当社はマスター統合の重要性を主張し続け、700を越える案件に携わってまいりました。MDMはこうした当社の姿勢と一致し、これまで培ってきた経験とノウハウを生かすことのできる分野です。
そこで当社はMDMを「企業・グループ企業といった広い範囲で、共用性の高いマスターデータを一元的に管理し、マスターデータに関する統制されたシングルビューを提供すること」と位置づけ、お客様の問題解決に取り組んでおります。
参考情報
データ総研のMDMソリューション
今あるデータをもっと有効活用したい、多様化するニーズに即応できるシステムにしたい、複数のシステムを統合しなければならない…などのシステムに関する様々な課題を解決するためには、マスターデータマネジメント(MDM)が不可欠です。
データ総研のMDMソリューションは、難度の高いマスタ統合・コード統一を、さらに一歩進め、『早く・安く・うまく』実現できるよう工夫されたソリューションです。
マスタ統合/コード統一/MDMセミナー
多くの企業ではDX化を推進し、ビジネスに関わるあらゆるモノ・コトがデータ化されるようになりました。そして、それらのデータを分析することで、現状業務の更なる見える化や将来の予測など、ビジネス上の意思決定に活用されています。
しかし同時にクローズアップされたのが、商品、取引先などのマスタデータやコードの統合管理がなされておらず、いくら情報を集めても、それらを視点軸とした情報活用ができないという問題です。
第1部では、マスタデータやコードを統合しようとする際には、プロジェクト上に多くの解決すべき課題が存在します。このセッションでは、プロジェクトを成功させるためにご理解いただきたい基本的な考え方と、DX時代のMDMプロジェクトの進め方について、その要点をご説明します。
第2部では、要件定義を進めながらMDMのプロトタイプが確認できる、柔軟性と拡張性に富んだマスタデータ管理プラットフォームをデモを交えてご紹介いたします。