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3分でわかるデータマネジメント【データガバナンス】

2020/02/26 0:00:00 / by 芳賀 恒太

はじめに

今回のテーマはデータガバナンスです。

最近よく聞くお悩みとして「顧客データを活用したいが、個人情報保護の観点で見たときに大丈夫か?」という話がありますが、個人情報に限らずデータの取り扱いに関する規制と世間の目は厳しくなっています。また、「AIを導入したいが、そもそも使えるデータがない」等の話もよく聞きます。日常の業務において活用を意識せずにデータを取り扱っていた結果、活用に堪えないデータばかりが蓄積されている(あるいはそもそも物理的に削除している)という状況に陥っているようです。

このような状況に対処するためには、企業全体として、データの取り扱いに関する方針を定め、それが守られていることをチェックし続けていく必要があります。今回の記事を参考に、データの適切な管理を目指していただけたらと思います。

 

想定読者層

  • データガバナンスをかいつまんで知りたい方
  • デジタル化に取り組む上で、データガバナンスの意義を理解したい方
  • データガバナンスに取り組む際の最初の1歩を探している方

 

データガバナンスとは?

DMBOK2ではデータガバナンスを「データ資産の管理(マネジメント)に対して職務権限を通し統制(コントロール)すること」と定義しています。イメージがしにくい表現ですが、本文中にはもう少しわかりやすい言葉で言い換えられている箇所があります。それは、「データガバナンスとは職務を監督側と実行側に分離することである」という部分です。ただ、これでもまだ分かりづらいので、もう少し噛み砕いてみます。

「職務」は、「データマネジメントに関する活動全般」と考えるのが適切です。

「監督」は、辞書通り「ある行為がその守るべきルールに違反していないかを監視し、必要に応じて指示・命令を出すこと」と理解して大丈夫そうです。

「実行」は、この文脈で考えれば「守るべきルールに順じて"職務"を実際に行うこと」と言えるでしょう。

分離」は、読んで字のごとく「監督者と実行者は別の者に担わせる」ということですね。

すなわち、データガバナンスとは「データマネジメント活動が、あらかじめ決めたルールどおりに行われているかしっかりと監督し、円滑な実行をサポートすること」といえます。

DMBOK2ではデータガバナンスを政治の三権分立になぞらえています。こう考えるとデータガバナンスがより理解しやすいかもしれません。

  • 立法:データを統制する際の考え方やルール等を定める
  • 司法:データマネジメントに関する課題の管理&報告を行う
  • 行政:データマネジメントを円滑に進める体制作り&実行結果に責任を負う
ちなみに、これらの機能を確かなものとするために、任命されるのがデータスチュワードです。データスチュワードとは、組織にとって最善の利益のためにデータ資産を組織代表で管理する人のことをいいます。データスチュワードはデータガバナンスの実行と結果に対して責任をもってデータガバナンス業務を行います。(データスチュワードには「チーフ・データスチュワード」「執行役データスチュワード」「データオーナー」等、様々な役割があります。是非調べてみてください。)

 

なぜデータガバナンスが必要なのか?

一言で言えば、データマネジメント活動を通じて、データからより大きな恩恵を受けるためです。データを金銭や物理的な機器と同様に「資産」とみなし、データの価値を管理することで、データマネジメントに関するより最適な戦略をとることが可能になります。

データガバナンスはデータを管理するための原則/ポリシーを提供し、企業におけるデータマネジメントをけん引します。すべてのデータマネジメント機能は、データガバナンスに監督されることによって、リスクが抑えられ、効率的に行われるようになります。データガバナンス機能は、すべてのデータマネジメント機能のよりどころとなります。注意してほしいのは、データガバナンスはそれ自体を目的化してはいけないということです。データガバナンスを行う業務上の意義を明確にし、全社の事業戦略に沿った形にすることが不可欠です。

参考までに、DMBOK2には企業がデータガバナンスを始める動機として以下のような例が挙げられています。

  • データや情報に関する規制を守るため
  • データ分析を行うため
  • MDMやインフォメーションマネジメントを行うため

 

では実際にどうやるのか?

ここではDMBOK2の内容を紐解いて、どのような手順でデータガバナンスを進めるかを簡単にお伝え致します。

データガバナンスに着手する際は、まず組織の中で「誰が、誰に/何に」統制をかけているのかを明確に理解していきます。そのうえで、データガバナンスを行う対象を決定していきます。以下のような取り組みを通じて行います。

  • データガバナンスの戦略(取り組み範囲とアプローチ方法)を決める
  • 現状での、データ関連業務の成熟度や、変革に対する許容度等の評価
  • データガバナンスと組織の連携ポイントの開発
  • 現状のデータガバナンス状況を、既存ポリシー、ガイドラインなどから調査
次に、データガバナンス戦略をより具体化していきます。このプロセスで、データガバナンスの取り組み範囲とアプローチ方法を定めます。以下のような取り組みを通じて行います。
  • データガバナンスを実行するための体制(委員会の設置や人員配置など)の定義
  • データガバナンスの目標、原則、ポリシーの策定
  • データマネジメントプロジェクトの状況や進捗の管理
  • 組織にデータガバナンスを定着させるためのチェンジマネジメントへの関与
  • データに関する課題管理への関与
  • 規制遵守要件の評価
そして、戦略にもとづきデータガバナンスを導入します。具体的には、以下の取り組みです。
  • データ標準作成&プロセス標準化の支援
  • 業務用語集の作成
  • エンタープライズデータモデル等、成果物の作成支援&承認
  • データの資産評価の支援
最終的には、データガバナンスの活動を、現場の一連の業務の流れに組み込んでいきます。このような取り組みを通じて、最終的に企業の事業戦略と目標をサポートしていくことになります。

 

おわりに

いかがでしたか?今回はデータガバナンスについて簡単に解説いたしました。冒頭でも触れましたが、「顧客データ活用をしたいけど、このデータって使っていいんだっけ?」「AIを導入したいが、そもそも使えるデータがない」などの悩みを抱えているみなさまはぜひ、この記事をきっかけにデータガバナンスについて学び、実行していくことをオススメします。

とはいえ、いざ実行しようとするとなかなかうまくいかないのがデータガバナンスです。本稿では簡単にお伝えしましたが、現実には「データガバナンス戦略はどうやって立てるか?」「どうやってこれを組織に定着させるか?」「どんなツールが活用できるか?」など、一筋縄ではいかないことばかりです。データガバナンスについて何かお困りのことがあれば、いつでも弊社にご連絡を頂けたらと思います。

また弊社では「DX時代のデータ活用に求められるデータガバナンスセミナー」と題し、データ活用におけるデータマネジメントアセスメント事例をベースに、データガバナンスの実現方法をツールと共に紹介しております。申込みをお待ちしています。

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Topics: データマネジメント

芳賀 恒太

Written by 芳賀 恒太