DRIブログ

「Specialist」から「Citizen」へ

組織/人材育成
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「データの管理や分析は専門家が行うもの」というイメージを持つ人は多いかと思いますが、データを取り巻く環境の変化や技術の進歩によって、データを扱う人物像に変化が起きています。

今回のブログでは、この変化の背景とデータを扱うこれからの人物像について、EDW(Enterprise Data World)2018で話されていたことをご紹介します。

  1. 取り扱うデータの多様化
    従来は基幹系システムから集めた構造化データを主に扱っていましたが、これからは多種多様な非構造化データを扱う必要があります。この非構造化データには各企業で独自のデータや、現場で発生している生データなども含まれます。
    多様化するデータを適切に管理・活用するためには、データに関する専門知識だけでなく、扱うデータそのものの知識や現場での経験が求められます。

  2. データ分析担当者の変化
    データからなんらかの意思決定を行いビジネス価値に繋げる動きは、業界を問わず、すでに始まっています。例えば、コンビニチェーンの在庫管理や衣料品ブランドの販売戦略、SNS系企業のメタデータ活用などです。企業にとって、データを扱うリスクを抑えつつビジネス価値を得ることが、今後さらに重要になっていきます。
    データから価値を得るために必要となるデータ分析は、現在はデータサイエンティストが行っています。しかし今後は各種ツールが整備されることにより、現在のデータサイエンティストが行う業務の自動化が進む、かつ、自動化できないデータサイエンティスト業務についても一般の社員が担うことが可能になると予想されます。さらに一般の社員がデータ分析を行うことで、データサイエンティストが行うよりも、より高度かつ多くの分析が可能になると考えられます。

  3. データ管理責任の拡大
    近年、コンプライアンスは複雑化・厳罰化が進んでいます。例えば、GDPRなどのグローバル規制の増加や各規制に関する罰金額の増加、グローバル規制に追随するための社内規制の複雑化などです。取り扱うデータ量の増加とコンプライアンスの複雑化・厳罰化により、データを扱うリスクは相乗的に増していると言えます。
    また、非構造化データの導入や専門家以外に向けた各種ツールの整備により、今後はエンタープライズデータへのアクセスがよりオープンになると予想されます。より多くの人がデータへアクセスできるようになることは、データを扱うリスクがさらに増すことを意味します。
    データを扱うこれらのリスクを抑えるために、データを扱うすべての人がデータ管理に責任を持つ必要があります。

取り扱うデータが多様化・増加するにつれ、データを扱う人もリスクも増えていきます。一方で企業にとってデータからビジネス価値を得ることの重要性も今後さらに増していきます。

そんな中、今後は「特定のスペシャリスト(Specialist)」だけでなく「データに関わる全ての人(Citizen)」がデータの管理や分析を担い、それらに責任を持つことで、データとデータ管理の民主化が進行していくと考えられます。

これまでEDW2018のご報告として、全6回に渡りブログを書かせていただきました。
2019年も始まったところでいったん一区切りとさせて頂き、EDW2019ご報告に筆を譲りたいと思います。
お付き合いいただきありがとうございました。

本年もよろしくお願いいたします。

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