DRIブログ

本格化するデータマネジメント成熟度モデル

業界動向/法規制

先月号に引き続き「Enterprise Data World」(以下EDW)の概要をお届けします。

今回のEDWで、特に耳にしたキーワードが2つあります。
「①データ戦略(Data Strategy)」と「②DMM Model」です。
今回は「②DMM Model」にフォーカスしてみたいと思います。

DMM Modelは、Data Management Maturity Modelの略語です。日本語では「データマネジメント成熟度モデル」と訳すのが適当かと思います。
DMM Modelを提唱しているのは、CMMI Instituteという団体です。CMMIは、Capability Maturity Model Integrationの略語ですが、日本語に訳すと「能力成熟度モデル統合」となります。CMMIは、世界的なプロセスの評価や改善をすすめるためのフレームワークです。
元々「CMM」がソフトウェア開発の分野で活用されていましたが、システム工学分野でも適用できる「CMMI」に発展、統合され、さまざまなプロセスの成熟度の一般的なモデルとして、広く適用されるようになりました。
CMMIには「運用のためのCMMI」「開発のためのCMMI」「調達のためのCMMI」「人材開発のためのCMMI」があります。今回は、これにデータマネジメントの成熟度を図るための「DMM」が開発され、2014年8月に書籍が出版されました。(まだ英語版しかありませんが、、)
50名以上の著者、70名のレビュアが3.5年の歳月をかけて開発されました。

成熟度は、
1.データ(実施レベル)⇒2.情報(管理レベル)⇒3.知識(定義レベル)
⇒4.洞察(測定レベル)⇒5.知恵(最適化レベル)
の5段階で構成されています。

コアカテゴリとしては、
1.データマネジメント戦略
2.データガバナンス
3.データクオリティ
4.データオペレーション
5.プラットフォーム&アーキテクチャ
6.サポートプロセス
の6つで構成され、それぞれのコアカテゴリが相互に影響し合う関係になっています。

そして、各コアカテゴリには、3~5個のプロセスエリアが設定されており、プロセスエリアは合計で25個あります。例えば、2.データガバナンスであれば、
①ガバナンスマネジメント
②ビジネス用語
③メタデータマネジメント
というプロセスエリアが設定されています。

この25個のプロセスエリアに対して、それぞれの成熟度を測定することになります。DMMでは、各プロセスエリアに対して、ゴールが設定され、そして、こんな質問をし、ここまでできていたら、成熟度はいくつ、と細かく規定されています。
自社のデータマネジメントの成熟度がどのレベルにあるかはもちろん、より高次元のマネジメントを実現するためには、ここをもっと改善しなければならない、といった示唆を得ることもできます。もともとDMBOKを開発した主要メンバーであるPeter Aiken氏(元DAMA International
会長)も、DMMの開発に注力されています。

EDWの雰囲気の中では、アメリカというお土地柄もあるのでしょうが、こういったフレームワークを活用し、自社の実力を測定し、改善に活かす活動がますます発展していくのだろう、と感じました。

CTAタイトル

thu

CTAの説明入るCTAの説明入るCTAの説明入るCTAの説明入るCTAの説明入るCTAの説明入るCTAの説明入るCTAの説明入る