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DRIブログ

3分でわかるデータマネジメント【参照データ/マスターデータ管理】

MDM/データ統合 データマネジメント

はじめに

「これからマスターデータ管理(MDM)に取り組もうと思っているが、何をするべきなのかわからない……」
そういう企業は多いのではないでしょうか。「マスターデータ管理」や「マスターデータマネジメント」「MDM」等で検索すると、マスターデータ管理を支援するツールの情報はたくさん出てきます。しかし、MDMに取り組む過程で何をするかについて紹介した記事は、あまり存在していません。

本記事では、DMBOK2の知識領域の1つである「参照データとマスターデータ」より定義を引用し、MDMとは何か、どのようなことをすればいいかについての独自解釈を加えて、お伝えしていきます。(そもそも“データマネジメントとは?”“DMBOK2とは?”という方は、こちらの記事『データマネジメントとは何か』もご覧ください。)

想定読者層

本記事は、以下の方々を想定して作成しております。

  • MDMとは何か?をかいつまんで知りたい方
  • デジタルトランスフォーメーション(DX)に携わる上で、データから価値を見出したいと考えている方

参照データ/マスターデータとは?

参照データとは他のデータを分類するためのデータであり、マスターデータはその企業の「誰が」「誰に」「どこで」「何を売っているか」を説明するためのデータです。 ※1

参照データはコードとそのコードが表す意味で構成されることがほとんどであり、あまり頻繁には変更されません。マスターデータは主要業務の対象であり、組織全体の様々なアプリケーションのトランザクションデータの中に記録され、測定され、分析されます。それぞれ、図1のようなデータが含まれます。

図1.参照データとマスターデータの具体例

図1.参照データとマスターデータの具体例

なぜ参照データ/マスターデータを管理する必要があるのか? 

参照データ/マスターデータ管理プログラムに取り組む意義は、企業の業務要件を満たす上で必要なデータ品質を管理し、データ統合コストを削減することです。

トランザクションデータの分析・活用を、どれだけ売上や市場シェア拡大、コスト削減に寄与する素早い正確な意思決定に繋げられるかは、参照データ/マスターデータの品質の高さに大きく依存します。

参照データとマスターデータの品質を向上させると、意思決定に必要となるデータの信頼性が劇的に高まります。そのことにより企業はIT環境の簡素化・効率化という恩恵を受け、合わせてお客様へ提供する価値を高められるようになるはずです。

参照データ/マスターデータ管理の進め方 

MDMシステムを導入するためのアクティビティは、次の6つに定義できます。

図2.MDMシステムを導入するためのアクティビティ

図2.MDMシステムを導入するためのアクティビティ

 

各アクティビティの具体的な活動内容は、以下の通りです。

アクティビティ名

内容

目的と要件の定義

例えば、次のように定義します。

目的
顧客サービス向上や業務効率改善、セキュリティ関連リスク削減

要件
企業に存在するシステム間のデータの意味と構造の違いを考慮し、目的達成コストやメリット/デメリットと照らし合わせて、MDMを導入するマスターデータ対象領域の優先順位を決定する

現状分析

以下の視点から、既存マスターデータの分析を行います。
1.データの配置や構造
2.データ収集・登録プロセス ※必要ならばデータ利用プロセスも評価
3.データ品質 ※データソース間のデータ品質差異も把握

アーキテクチャの
検討

事業戦略/業務要件や既存データソースの管理基盤、データリネージや変更頻度等を考慮して、マスターデータの統合方式(マスターデータHUB or マスター登録画面/ワークフローを含む抜本統合)を検討する

データ構造の検討

全社で共有すべきマスターデータを統合管理するために、MDM
管理範囲内のデータモデルを作成する

データ管理体制と
運用プロセスの定義

1.データ収集・登録プロセスから抜け落ちるマスタレコードに対処し、バックエンドの運用プロセスを定義・改善する
2.継続的な品質維持を支援するために必要な体制を検討する
3.マスターデータ品質の改善に必要な情報を運用担当者に提供する

ガバナンスポリシーの導入

統合管理された高品質なマスターデータを、各部署や業務で使わせるためのガバナンスポリシーを定め、それを全社に守らせるためのロードマップを検討する

表2.MDMシステムを導入するためのアクティビティ説明

 

上記のアクティビティに沿ってMDMシステムを導入した後は、

  • 作成したデータモデルが組織全体で意味を為すように管理すること
  • 信頼性の高いデータの取得・クレンジングプロセスを定義

によって、マスターデータ品質の維持が可能となります。

おわりに 

今回のブログでは、参照データ/マスターデータ管理についてご紹介致しました。
筆者が過去に携わったプロジェクトでは、セールス/サービスを統合するSaaS導入がプロジェクトゴールでした。その実現に向けて、MDMシステム構築支援はもちろん、SaaSやMDMと連携するその他システムの設計/構築も支援の対象となりました。

このように、最近はDXやデータ駆動型経営推進に伴う形でMDM導入へ関わることが増えてきましたが、我々は創業以来、マスターデータ管理の重要性に着目し続けております。ご興味があれば、ぜひ弊社のMDMソリューションをご活用いただければと思います。

企業のデジタル化を進めるためには、意思決定に必要な情報・データの品質を高く維持し続ける必要があります。今後もブログを通して、企業がDXを実現するためのデータマネジメントをわかりやすく伝えていきたいと考えています。

注釈
※1 DMBOK2日本語版では次のように定義されています。
「参照データとは、他のデータを特徴づけ、データベース内のデータと外部組織の情報を関連付けるために使用される」
「マスターデータは、業務活動に関連する共通概念を抽象的に表現することにより、その活動に意味を与える」

 

参考

データ総研のMDMソリューション

今あるデータをもっと有効活用したい、多様化するニーズに即応できるシステムにしたい、複数のシステムを統合しなければならない…などのシステムに関する様々な課題を解決するためには、マスターデータマネジメント(MDM)が不可欠です。

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