DRIブログ

DX実現を支えるデータマネジメントの人材像

組織/人材育成

データ総研では、ほぼ隔週で「データマネジメントweb談義」を開催しています。データ総研コンサルティンググループ統括マネージャーである小川と、シニアコンサルタントマネージャー伊藤の2人で、データマネジメントに関する様々なトピックについて語り合っています。
本記事では第3回「DX実現を支えるデータマネジメントの人材像」の内容について紹介いたします。
記事の最後には、アーカイブのYouTube動画もあります。ぜひチェックしてみてください。

データマネジメントのために必要な役割

前回のweb談義「DXにおけるデータマネジメント組織づくり」の中で、データマネジメント組織で必要な役割と、それらの連携イメージをご紹介しました。

画像1-3

今回のweb談義では、それぞれの役割がもつべき主要なコンピテンシー(≒役割を十分に果たすためにもつべき能力)を紹介しています。(表1)

役割 主要コンピテンシー
チーフデータオフィサ

経営戦略に基づいて、組織全体のデータ戦略を策定し、
推進することができる

チーフデータアーキテクト 組織全体の将来を見据えたブループリントを策定し、組織全体に浸透させることができる

データオーナー

経営戦略に基づいて、業務施策を打ち出し、データスチュワードに正確に要件を伝えることができる

データスチュワード 各ステークホルダー(=データ活用者)の業務施策から
データ要件を整理・調整し、定義することができる
データサイエンティスト 業務施策に基づいて、適切な統計解析結果をデータ活用者に提供することができる
データアーキテクト 組織全体のデータアーキテクチャとデータ統合の設計に責任をもち、組織全体に守らせることができる
データインテグレーター システム間のデータ連携の品質に責任をもち、ガバナンスルールに基づく設計ができる
データ
クオリティスト
日々のオペレーションをモニタリングし、データ品質のプロアクティブ・リアクティブができる
データ
セキュリティスト

ダークデータが作られないように統制し、必要最小限のユーザー権限を付与し、リスクを下げることができる

表1. データマネジメント組織で必要な役割と主要コンピテンシー

チーフデータオフィサ、チーフデータアーキテクトなどについては、そもそも何をする役割なのかわかりにくい部分もあると思います。以下、各役割がデータ活用場面において担うべき内容を、web談義の内容から補足します。

データオーナー

データオーナーは業務部門の中で選出され、自組織で生成されたデータの正しさを保証する役割を担います。もしデータが正しくなかった場合、データオーナーは説明責任を果たす必要があります。

データ活用者

データ活用者は、業務部門に所属し、データをもとにして業務施策を打ち出す役割を担います。データをもとに業務施策を打ち出す際には、業務の改善点や有効な施策について仮説を立て、それを裏付けるためにどういうデータが必要か考える必要があります。

データスチュワード

データ活用者の相談を受けて、データ要件を定義するのはデータスチュワードです。データスチュワードは、複数のデータ活用者が出してくる要件をまとめることで、似たような活用データが重複して作られることを防ぎます。

データアーキテクト

データアーキテクトは、データスチュワードとデータ要件を調整しながら、データの作成をデータインテグレーター等に依頼します。その際、ガバナンスルールから外れたデータが作成されないよう、レビュを行うなどしてルールを守らせます。

 

データアーキテクトについて詳しく学びたい方は、こちらの「デジタル組織に欠かせない、データアーキテクトを徹底解説!」もご覧ください。

 

その他の役割については、おおむね名前の通りです。

「データガバナンス側」と「データマネジメント側」という観点で考えた場合、チーフデータオフィサとチーフデータアーキテクトはデータガバナンス側、それ以外の役割がデータマネジメント側として活動します。(データマネジメントとデータガバナンスの関係については、第2回のまとめ「DXにおけるデータマネジメント組織づくり」をご覧ください。)

 

役割ごとの必要知識

画像1-4

データ活用の場面でやるべきことに着目して分類すると、各役割は「問題を発見する人」「問題を分析する人」「必要なデータを与える人」「データを作る人」の4パターンに分類できます。

人材

最低限知っておくべき知識

問題を発見する人

経営戦略、業務知識、他社事例、社会・業界動向

問題を分析する人

数学、統計解析手法、統計解析ソフトウエア

必要なデータを与える人

データマネジメント知識、データモデル作成手法、

業務知識、対象システムの知識

データを作る人

データ定義内容

表2. データマネジメント人材が持っておくべき知識

問題を発見する人

「問題を発見する人」には、データそのものや統計解析の結果をもとに、業務改善を行うデータ活用者が該当します。いくらデータがあっても、それをビジネス施策に結び付けられなければ意味がありません。データ活用者は、経営戦略や業務知識を押さえておく必要があるのはもちろんですが、社会・業界にどのような変化が起こっているのかをキャッチし、それとデータを結び付けて考える必要があります。また、今後企業間でデータ活用の競争が激化するにあたって、他社でどのようなデータ活用事例があるのかを知ることも重要です。

問題を分析する人

「問題を分析する人」には、データをもとに統計解析を行うデータサイエンティストが該当します。データサイエンティストは、統計解析手法や、それを実行するためのソフトウェアの知識を持っておく必要があります。

必要なデータを与える人

「必要なデータを与える人」には、データスチュワード、データアーキテクトが該当します。ただし、データスチュワードは業務部門寄り、データアーキテクトはIT部門寄りという違いがあります。データスチュワードは、データ活用者が提示する業務施策からデータ要件を定義するために業務知識が求められます。一方のデータアーキテクトは、それらのデータ要件をもとに適切なデータを作成・提供することが求められるため、データモデルに関する知識や、データを記録しているシステムに対する知識が必要になってきます。また、両者には共通して、データマネジメントに関する知識が求められます。

データを作る人

「データを作る人」には、データオーナーが該当します。実際にデータを入力するのは業務ユーザーですが、作成されたデータに責任を持つのはデータオーナーになるということで、このように分類しています。データオーナーは、定義内容から外れたデータ発生を防ぐため、データ定義について把握しておく必要があります。

データマネジメントWeb談義のアーカイブ

もっと詳しく知りたい方は、アーカイブをご覧ください。
上記の内容のほか、動画内では、各人材のキャリアパスについても考察しています。

 

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