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DX時代の重点課題! マスターデータ管理実現の壁とは?

MDM/データ統合

※こちらの記事は、2021年10月に弊社コンサルタントの小川が講演した
「DX時代の重点課題!!MDM(マスタデータ管理)を早急に実現せよ マスター統合/コード統一/MDMセミナー~統合マスタ基盤のアジャイル開発~」を書き起こし、3つの記事として再構成しております。

①DX時代の重点課題!なぜマスターデータ管理は必要なのか?
 http://jp.drinet.co.jp/blog/mdm-dx-1

②DX時代の重点課題! マスタデータ管理システムの基本機能と整備方式とは?         http://jp.drinet.co.jp/blog/mdm-dx-2

③DX時代の重点課題! マスタデータ管理実現の壁とは?(本記事)
http://jp.drinet.co.jp/blog/mdm-dx-3

 

本セミナーの講演資料は以下よりダウンロードいただけます。

講演資料をダウンロード

本セミナーの動画は以下より閲覧いただけます。

https://jp.drinet.co.jp/seminars/mdm#video

 

 

マスターデータ管理実現の壁

マスターデータ管理実現の壁

ここからは MDM 実現の壁についてご紹介いたします。
MDMの仕組みづくり自体はそう結構難しくありませんが、MDM プロジェクトを進める上で、実際にはシステムそのものの定義よりもその中のデータや人事の調整の方が課題は大きくなります。

1. 目的設定の問題

マスターデータ管理の目的設定

1つ目は、『目的設定の問題』です。まずはマスタデータの整備を通して何ができるのか、最終的なビジネスゴールをしっかりと定めていただきたいです。

MDMによってさまざまなビジネス施策を実現できますが、「ビジネスとして達成したい目標のためのマスタ統合」という目的設定が必要です。中にはMDMさえ実現すれば効果が出るという目的と手段をはき違えている勘違いが多くの企業で見受けられます。しかし実際には、マスタだけ統合しても (多少メンテナンスコストが安くなることはあるかもしれませんが、) 結果的には大した効果は得られません。何のためのビジネス施策に基づいてどのマスタを統合するのかを十分検討し、ビジネスを活性化させて業務目的を達成する方が効果は大きいです。
また、目標が定まれば、自ずとどのコードやマスタを対象にするか検討範囲が決まります。MDMを進めていると、周囲から次から次へと依頼されることが多々あります。そういった場合に、ビジネス目的や今回の検討範囲をきちんと定めなければ、要件をなかなか締められないため、検討範囲からブレないことが重要です。
ただし、目先だけ取り組んでしまうと目線が下がってしまいますし、最初からどんなに大風呂敷を広げても成功しなければ頓挫します。そこでまずは、将来的にやりたいビッグピクチャをしっかりと描き、そのためにできる限り今まずやるべきことを減らして検討範囲を絞り、しっかりとした成功体験を作っていくことで、最終的な目標に向けて徐々にステップを踏むことができます。

2. 範囲/粒度の問題

マスターデータ管理の範囲/粒度2つ目は、中身についてです。いざ仕組みを作っても中にデータがなければ、意味はありません。そこで、現状どんなコードがあるのかしっかりと分析していただきたいです。

人には各々が見たい視点や角度で物を識別するという習性があります。例えば設計部門では、内部の設計変更の進み具合まで商品コードであると管理し、生産部門ではトレーサビリティを取るためその先に作った範囲をしっかり管理するといった場合です。そのためには個々人が『商品』を指すレベルと範囲を可視化して共通認識を持つ必要があります。
そこで『データの範囲と粒度』という言葉をご紹介します。『データの範囲』とは、例えば『商品』や『販売品』と呼んだ場合に、自社製品と自社の規格品OEMで作られているものまでが自ら管理する『商品』で、他社からの仕入れ品は自らコード採番せずそのまま他社の商品コードを使っている場合、コード採番やマスタをどこまで管理しているかしっかりと定めることです。他には、自部署ではブランドと容器、サイズが同じ場合は一つのコードを、他の部署では荷姿まで含めるがそれ以外は別のコードを振るというコードを振る単位の粒度感を一つずつしっかりと見極めるかどうかという場合があります。
どこで合意点を得るかを範囲と粒度で決める場合、例えば先ほどのWhy(=目的)をしっかり定めて、今回の目的と統合対象を決め、内部設変や生産法上の管理を今のままのローカルコードとするかなどを整理します。

3. 検討体制の問題

マスターデータ管理の検討体制3つ目の壁は検討体制の問題です。ここでおそらくMDMプロジェクトの全体の約7割が決まります。MDMプロジェクトにとって答えが無いことが一番の問題ですが、MDMプロジェクトは、答えがない状態のままステークホルダーと調整する活動ですので、いかに進めていくかにかかっています。そのための素地として、経営者が強いリーダーシップと意志を発揮し「もうこれをやらないと私の代では死にきれない」というしっかりとしたコミットメントに続き、その下のフォロワーや関係部門長もしっかりとしたコミットメントが必要です。それも、場当たり的ではなく腰を据えてしっかりとした体制づくりが必要です。
なお、調整事は社内だけで進めると軋轢が起きやすいため、弊社をはじめとした外部の経験者やコンサルタントの利用もご検討ください。

4. 進め方の問題

マスターデータ管理の進め方最後は、進め方の問題です。
MDMプロジェクトは、ウォーターフォール型で進める場合もありますが、企画立案→要件固め→ツールベンダー選定という要件定義工程で半年~1年以上かかります。さらにシステムを構築しながら調整すると2~3年、長期にわたると3~5年ほどかかります。その間に当初作った担当者が居なくなるといったこともあり得ます。
だからこそ、小さく始めて大きく育てることが大切です。要件が固まったシステムが最終的に完成するまで中身が見られないのは前時代的な作り方ですので、弊社は用件がある程度方針が固まり、決まってきたら一旦実装し実際に画面を見ながら議論を重ね参加者全員から合意を取るプロジェクトを推進する作り方を提唱しております。

 

マスターデータ管理の参考情報

本セミナーの講演資料は以下よりダウンロードいただけます。

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本セミナーの動画は以下より閲覧いただけます。

https://jp.drinet.co.jp/seminars/mdm#video

 

伊藤洋一から学ぶ
マスターデータマネジメント実践コース

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2024年1月に翔泳社から発売された書籍「DXを成功に導くマスターデータマネジメント」の著者で、数多くのマスターデータマネジメント支援実績を持つとともに、昨年デジタル庁が主催した「データ活用推進者のためのデータマネジメント」の講師も務めたエグゼクティブシニアコンサルタントの伊藤が講師を担当。自社やお客様に合ったマスターデータマネジメントを自ら考えられるように導きます。

「伊藤洋一から学ぶ マスターデータマネジメント実践コース」 の詳細はこちら

 

 


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